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岩崎言語教育プログラム開発
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特徴
文化的背景

特徴
日本語学習の観点からみた日本語の特徴
私たち日本人が知らぬまに身につけ、普段何気なく使っている日本語を、ゼロの状態から学ぶという観点で眺めて見ると、いろいろおもしろい発見があります。裏返せば、ここで紹介するような日本語の特徴を理解し、なおかつ使いこなせるようにすることが、すなわち日本語教育ということになるのです。またこのような特徴を理解することによって、なぜ日本における英語教育がうまくいっていないのか、という疑問に対する答えもある程度見えてくると思います。
★2007年10月発刊 『未来をささえる日本語力』 icon 岩崎美紀子著★
発音  
日本語には母音が5つしかありません。しかも大部分の音声がいずれかの母音を含んでいます。
子音の数もあまり多くなく、単独で発音されることはほとんどありません。
文字
  日本語では「ひらがな」「カタカナ」「漢字」と3種類の文字が使われます。それぞれに役割分担がありますので、すべて必要です。「ひらがな」「カタカナ」だけでもそれぞれ50個近くありますので数は多いですが、仮名文字のほとんどが文字の名前と発音が一致しており、しかもほとんどが1つの音しか表しません
文法
  1.日本語では文法上、男性と女性、人間と物を区別しません

男性と女性

2.日本語では文法上、物が数えられるかどうか、単数か複数かは問題になりません
単数か複数か

3.日本語には3種類の文があります。
名詞文(名詞で終わる文)
動詞文(動詞で終わる文)
形容詞文(形容詞で終わる文)
それぞれ構造が異なり、表現内容に役割分担があります
それぞれの文が、文法上文として認められるために最低限必要とする情報は、それぞれ名詞、動詞、形容詞だけです。主語も、他動詞の目的語も、その目的語の数も、必要ではありません。

4.上記3種類の文は、それぞれ他の情報を付け加えることによって、さらに複雑化することができます。付け加える情報は、副詞などは別として、おおむね名詞の後ろに助詞を付けることによって作られます。
逆にいえば、ほとんどの場合、名詞は単独では情報として文に取り込むことができません。また英語の前置詞(in, onなど)とは違い、助詞そのものは何の意味ももっておらず、名詞に付加されて初めて特別な機能を発揮します

りんご → りんごを、りんごに、りんごで、など

名詞を情報化するために使われる助詞は7つしかなく、そのうちどの助詞を使うかは動詞文の場合はおおむね動詞によって決まります

花屋で 買う。花屋が ある。花屋に 行く/ある。

5.日本語では、修飾する語は常に修飾される語の前にきます。したがって、語順としては動詞文における動詞情報は文末にきます。しかし、上記のとおり助詞の選択は後ろにくる動詞によって行われるので、会話という状況のなかでは相手の言うことを最後まで聞かなくても助詞を聞いた段階で動詞情報をある程度予測することが可能です

6.日本語の最大の特徴は、基本的な助詞の使い方や語順が会話や文章の流れのなかで変化することです。

机の上にりんごがある。
でも、みかんは椅子の上にある。
バナナも椅子の上にある。
パイナップルはどこにある?
戸棚の中には何がある?

7.日本語では、動詞を変化させ、なおかつ動詞の後ろに様々な表現を付加することによって動詞情報を作り出します
書く、書き・ます、書い・てもいい、書か・なければならない
書け・ば、書こ・う、書け・る、書か・せる、書か・れる

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語彙
  どんな言語でも、最後は語彙力の問題になりますが、基礎的な日本語の語彙の特徴は次の2点です。

1.人間にかかわる語彙が複雑です。
例えば、英語の「doctor」に相当する日本語は、「医者」「お医者さん・お医者様」
「医師」です。誰について話しているかによって使い分けが必要です。

2.数に関する語彙が複雑です。
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
例えば、1から10までをどのように数えるかという観点だけでみると、「4」は
「よん」または「し」ということになります。
しかし、実際には「400=よんひゃく」、「4月=がつ」、「4円=えん」、
「4日=よっか」となり、そんなに単純ではないことが分かります。

また、数字だけではなく、数字の後ろにつくものの音も様々に変化します。
1:100  3:300  6:600  8:800

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文体
  1.日本語の文体は「書き言葉」「話し言葉」で異なります。

2.「話し言葉」は大きく分けて「丁寧語」「敬語」「口語」と3種類あります。この3種はそれぞれ使う相手を選ぶなど役割分担がありますし、文法的なしくみも異なります。この3種すべての使い方を習得しなければ、日本人同士の会話を理解することはできません。

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日本語は難しい?
上級の域に到達することが難しいのはどの言語でも同じことですが、とりあえず単語レベルではなく、文が作れる、文レベルで会話ができる、読み書きができることを最初の目標と考えるなら、日本語はあらゆる観点からみて非常に学習しやすい言語です。MISJでは最短24時間、12日間でこの目標を達成させることが可能です。

もう1つ上に、日本人同士の日常会話が6割程度理解できるという目標を掲げても、それを達成することはそれほど難しくありません。困難な点は数に関係する語彙、基本的な助詞遣いや語順が会話の中で変化すること、相手によって語彙や表現を選択しなければならないこと、動詞を活用させなければ動詞情報が作れないことですが、どれもかなり明確にルール化、パターン化でき、例外も少ないので、むしろ容易といってもいいと思います。MISJではこの目標を最短100時間、2ヶ月半で達成させることが可能です。

逆に言えば、ある程度明確にルール化、パターン化できるところまでが、目標や分野を問わず最低限必要とされる日本語能力であり、それをいかに速く、確実に身につけさせることができるかが日本語教授法の鍵ではないでしょうか。

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